特性が重なっている子

それぞれの障害は
つながっている

自閉症スペクトラム症・ADHD・LDなどの発達障害には多くの特性が重なっています。
同じ特性を別の視点からとらえることにより、診断名が異なるため、医師も診断に迷ってしまうのです。
最近では「発達障害スペクトラム」という視点から、特性のあらわれ方には差があるので、「それぞれ違って見えるけれど、基本的な部分は連続している」という考え方に発展。
この視点により、その子の特性をありのまま受け入れて、配慮や支援につなげられるのです。
特性を合わせもつ子とは?
自閉症スペクトラム症・ADHD・LDなどの発達障害には、明確な境界線はありません。
そのため、自閉症スペクトラム症の特性を持つ子でも、「忘れ物や紛失物が多い」「じっと座っていられない」などADHDの特性を合わせ持つ場合があります。
ほかにも「文字の読み書きができない」「計算ができない」などLDの特性があらわれることも珍しくありません。
発達障害は特性が重なり合う部分が多いので、医師でも診断が難しいのです。
診断名だけに
惑わされないことが大事
発達障害の支援に「マニュアル」は存在しません。
同じ自閉症スペクトラム症でも、特性のあらわれ方は様々で、ほかの特性と重なることも珍しくありません。
そのため、診断名だけに惑わされると支援が遅れてしまいます。
診断名がついてもつかなくても、その子自身と向き合い、何に困っているかを見つけることが大切です。
その子に合った配慮や支援を続けることで、生きづらさを和らげられるでしょう。
お子さんの生きづらさが和らぐということは、保護者様が心身ともに楽になっていくことにもつながります。
保護者様が抱え込まないために
その子自身の特性をなかなか受け入れられなかったり、対応に戸惑ってしまったりと、こどもとの関わりに困惑している保護者は少なくないでしょう。
「子どもがかわいく思えない…」「毎日疲れる…」そんな状況になってしまったとしても、自分を責めず、周りに相談することが大切です。
一人やご家族だけで抱え込まず、支援や療育はもちろんですが、同じ悩みを持つママたちのコミュニティなども活用してみてください。
健康を大事に
特性が重なっているお子さんと毎日過ごしていると、心身が疲れてしまうことも多いはず。
それは、お子さんを愛していないということではありません。当たり前に起こってしまうことなのです。
ひとりや家族単位だけでがんばりすぎず、行政や民間の支援を受けていくことが、お子さんのステップアップにつながり、それが保護者様の気持ちを楽にしていくことにもなります。