2025年度から5歳児健診の費用補助へ
国が進める「5歳児健診」の普及に向けた取り組みをご紹介します。
5歳児健診って何?
「5歳児健診」は、発達障害の可能性がある子どもを早期に見つけ、支援につなげるための健診です。これまで自治体による義務付けは1歳半と3歳児の健診だけでしたが、5歳になると社会性や行動の特徴が顕著になることから、発達障害を発見しやすくなると言われています。
しかし、2022年度の5歳児健診の実施率は全国でわずか14.1%。これを2028年度までに100%にする目標が掲げられました。
「3歳児健診から小学校入学までの空白」を埋める重要な役割
現在の健診制度では、3歳児健診後、小学校入学前の「就学時健診」まで約3年の空白期間があります。この間、発達障害が見過ごされることが少なくありません。その結果、小学校入学後に発達障害が判明しても、学校の支援体制が整うまで時間がかかり、子どもがつらい思いをするケースも…。
5歳児健診は、この空白期間を埋め、子どもが小学校でスムーズに過ごせるよう支援計画を立てるきっかけとなります。
どんなサポートが受けられるの?
- 個別の支援計画作成:保育所や幼稚園での対応が具体化されます。
- 就学先への引き継ぎ:小学校に情報を伝えることで、円滑なサポートが可能に。
- 地域支援の充実:保健師や心理士が保護者をサポートします。
また、健診で見つかった課題に対して早期に支援を受けることで、症状の改善や集団生活への適応が期待されます。
普及への課題と国の取り組み
「医師や専門家が不足している」「支援体制が整備されていない」といった課題に対し、国は以下のような支援を開始します。
- 医師派遣や研修費の補助
- 健診を行う自治体への費用補助(1人あたり3000円→5000円)
これから期待できること
5歳児健診がこれまでの1歳児半、3歳健診と同じように広がっていくことで、サポートが必要な子どもの取りこぼしが減っていくでしょう。それにより、受け皿を増やすことも検討されていくはず。5歳以降のサポート内容も充実していくことが考えらえます。