【6歳の発達障害】特徴と今できること
6歳は自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害(ADHD)の診断を受ける可能性がある年齢です。
段階別セラピー
発達スケールと照らし合わせて、お子様を目標とする位置へ導く児童発達支援事業所「てらぴぁぽけっと」。
2022年3月30日現在、全国で37のエリアに展開中。
応用行動分析(ABA)を用いたセラピーで、将来的に目指す行動に対し、今できることからプログラムを作成していきます。 保護者様との対話にも力を入れている、気軽に話せる相談先として頼れる存在です。
日常生活で困難を感じている子も少なくないでしょう。
ここでは、小学校入学前のお子さんを対象に、発達障害の特徴や今できることを紹介します。
6歳の幼児の気になるサイン
感覚が敏感
感覚に偏りがあるため、些細なことでも過剰に反応してしまいます。
触覚過敏の場合、手を繋いだり、肩を軽く叩かれたりしただけで、痛みを感じるのです。
また、服のタグや縫い目を嫌がったり、着心地の良い服を毎日繰り返し着たりします。
聴覚過敏の場合、普段は気にならない些細な音が、大きな音に感じることがあります。
ひとりで遊ぶことが多い/
集団行動ができない
6歳になると友だちと一緒に遊んだり、集団行動が増えたりします。
しかし、発達障害の特性を持つお子さんは「ルールが理解できない」「コミュニケーションが苦手」「臨機応変な対応ができない」などの理由から、集団行動ができません。
また、行事やイベントなどいつもと違う雰囲気になると興奮してしまい、身勝手な行動をとってしまうことがあります。
特定のものへのこだわりが
みられる
アニメのキャラクターやセリフをすべて覚えていたり、いつも同じ服を着ていたりと特定のものへのこだわりが見られます。
発達障害の特性を持つお子さんは「いつも通り」の日常が安心します。
しかし、年齢が上がるにつれて、行事やイベントなどのいつもと違う日が多くなり、強い不安を感じてしまいます。
特定のものへのこだわりは、不安な気持ちをやわらげるための行動だと考えられているのです。
パニック(かんしゃく)を起こす
発達障害の特性を持つ子は「いつも通り」を好むので、予期せぬ出来事や変化が苦手です。
些細なことでも、いつもと違う変化があると不安な気持ちが大きくなり、パニックを起こしてしまうのです。
また、さまざまな感覚に偏りを持っているので、外からの刺激がスイッチとなってパニックになることもあります。
じっとしているのが苦手
座っていても身体を揺らして落ち着きがなかったり、立ってどこかへ行ってしまったりと、じっとしているのが苦手です。
また、静かにすべき場面でもおしゃべりを止められず、注意されてもすぐに忘れてしゃべりはじめてしまうお子さんもいます。
このような特性を持つお子さんは、「忘れっぽさ」をあわせ持つことが多いようです。
ルールが理解できない、守れない
ルールが難しくて理解できなかったり、勝つことにこだわってルールを守れなかったりします。
感情や欲求のコントロールができないので、自分の思い通りに物事が進まないと、パニックやかんしゃくを起こすこともあります。
また、順番に並ぶことが苦手なことも多いです。
順番に並ぶという意味がわかっていないか、自分の好きな場所に並びたいというこだわりにより、割り込んでしまうことがあります。
お友だちをたたいたり、
泣かせたりてしまう
気に障ることがあると、お友だちをたたいたり泣かせてしまったりします。
自分の気持ちをコントロールするのが苦手なので、衝動的な行動をとってしまうのです。
「乱暴な子」という印象から、友人関係が上手くいかなくなることがあります。
「相手の気持ちを理解できなかった」「感覚過敏から刺激を避けようとした」など、行動の背景には何があったのかを探ることが大切です。
忘れっぽい、注意力が散漫
「必要なものをなくす」「聞いたことをすぐに忘れる」「物を置いた場所を覚えられない」など、忘れっぽいことがあります。
また、外からの刺激につられてしまうので、一定時間ひとつのことに集中できません。
このような不注意は、自分ではどうしようもできないので、お子さん自身も「どうして忘れっぽいんだろう」と悩んでいることが多いです。
変化や気持ちの切り替えが苦手
「この後どうなるのかな」と想像することが苦手なので、行事やイベントなどが合っても変化を楽しめず、不安な気持ちが大きくなってしまいます。
また、気持ちを切り替えるのが苦手で、一度始めたことを途中でやめられません。
無理にやめさせようとすると、パニックを起こすことがあります。
一度決めた手順やルールの変更が苦手な子もいます。
話す内容、話し方に特徴がある
話したい内容を一方的に話したり、言葉の響きが気に入って何度も同じフレーズを言ったりします。
また、相手の話が理解できず、言われたことをそのまま繰り返すことが見られることも少なくありません。
また、間違いではないのですが「的はずれ」な受け答えをしたり、時間の概念が理解できず、昔のことを最近あったかのように話したりします。
読み書きが苦手
おしゃべりが上手なのに、読み書きが苦手な場合があります。
意味で区切って読めないので、どこを読んだかわからなくなってしまうのです。
「わ」と「ね」のような、似ている形を読み間違えたり、「っ」が発音できなかったりすることも少なくありません。
また、書くのが苦手な場合、文字の形が整わなかったり、似た形の文字を書き間違えたりしてしまいます。
自閉スペクトラム症・ADHDの
診断がつく可能性がある年齢
6歳は自閉症スペクトラム症やADHDの診断がつく可能性がある年齢です。
また、LD(学習障害)の特性も見え始めますが、LDかどうかは診断が出る年齢ではありません。
LDは小学校に入ると、とたんに勉強についていけなくなることなどでわかることも多いのですが、そうなってからより、その前の方が勉強への苦手意識などもつきにくいので、少しでも「そうかも」という兆しがあれば、ぜひ専門家の診察を受けてください。
相談をする大切さ
発達障害にはいろんな種類があって、それぞれ特性があらわれる時期や診断名がつく時期も違います。詳しくまとめているページもあるので、参考にしてください。
診断名がつかなくても、療育に関するアドバイスや、これからどうしたらいいか、家ではどんな対応がいいのかを聞くことができますので、相談には足を運んでみることをおすすめします。
幼児の自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)について詳しく
もしも診断名がついたら
子どもの様子を
見てあげてください
発達障害の特性は、ひとりひとり異なります。
体験談や書籍、ネットの情報に振り回されすぎないようにしましょう。
我が子に合った適切な「関わり」や「サポート」により、生きづらさをやわらげることに繋がります。
また、我が子の特性を理解して、「ここまでがんばろう」と、少し先まで導くことで、能力を開花させられます。
無理させたり押し付けたりせず、我が子と向き合って適切な働き掛けをしていきましょう。
療育なども活用しましょう
早い時期から療育を受けることで、適切な対応ができます。
療育を受けたい場合は、保健所や役所に相談すると、児童発達支援事業や児童発達支援センターなどを紹介してもらえるでしょう。
療育によって特性が治るわけではありませんが、保護者も子どもも、対応方法がわかるので、現時点で抱えている困難や不安をやわらげられます。
周囲の理解を得る必要が
ある時期
発達障害を持つお子さんの中には、がんばっても上手くできなくて、つらい思いをしていることも少なくありません。
小学校に入学すると、集団行動や学習面など、幼少期とは違う悩みや不安が増えてくるでしょう。
周囲からからかわれたり劣等感を植え付けられたりしてしまうと、ひきこもりや不登校などの二次障害につながる可能性があります。
家庭内で安心できる場所をつくり、その子の意欲や自信につながるようなことを見つけて、褒めてあげることが大切です。
大事なのは、保護者様が
抱え込まないこと
「家庭に安心できる場所をつくらないと」とひとりやご家族だけでがんばりすぎていませんか?
大事なことは、保護者が悩みを抱え込まないことです。
小学生になると、学習面での悩みも増えてきます。
「どこに相談したら良いかわからない」とひとりで抱え込まず、専門機関や信頼できるコミュニティを活用しましょう。
悩みを共有できれば、保護者もお子さんも心が軽くなるはずです。
小学校をどう選ぶ?
発達障害の特性を持つ子は、通常学級はもちろん、特別支援学級や特別支援学校といった選択肢があります。
「楽しく通えて、問題なく学べるか」が重要です。
通常学級にいっても全ての人が特性を理解してくれるとは限りません。
通常学級を選ぶ場合は、子どもがつらい思いをしないための配慮が必要です。
自治体では、年長児向けに就学相談をしているので、学校ごとの特性がわかります。
各学校の見学を通して、教育方針や支援の状況を早めに確認するようにしましょう。
特別支援学級とは
特別支援学級とは、心身に障害を持つ子のための「少人数学級」です。
それぞれの障害にあわせた指導を受けられ、給食や休み時間は通常学級の子どもたちと交流する時間があります。
ただし、学校で1クラスのみの場合がほとんどなので、学年別の授業が成り立たないのがデメリットです。
また、身体障害者のみが対象の場合や、特別支援学級を設けていない学校もあります。
特別支援学校とは
特別支援学校とは、心身に障害を持つ子のための専門学校です。
特別支援教育に特化しているので、子どもたちが過ごしやすい配慮がされています。
特別支援学校教員の免許を持った、知識豊富な教員が個別に指導。
充実した個別授業に加えて、生活面や社会性の指導もしています。
しかし、障害がない子との触れ合いが少なくなってしまう面もあります。
とは限りません
通常学級に行けるなら、行った方がいいのでは?と考えてしまうこともあるかもしれません。
ですが、発達障害という特性を持つお子さんにとって、通常学級は最良の選択とも限りません。
クラスメート、その保護者様、中には担任の先生や学校に「理解してもらえない」と苦しんでいる保護者様やお子さんもいらっしゃいます。
本来受けられる支援が受けられないことも出てきますので、小学校の教育方針を確認し、何を選ぶべきなのか、じっくりと考えてください。
このサイトでは、エリアごとの児童発達支援センター・事業所をまとめたページがあるので、参考にしてください。