【5歳の発達障害】特徴と今できること

5歳は、自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害(ADHD)の診断を受ける可能性がある年齢です。
さまざまな気になるサインがあらわれてくるでしょう。
ここでは、5歳の発達障害の特徴と今できることを紹介します。

引用元:てらぴぁぽけっと公式サイト
https://terapiapocket.com/
5歳のお子様では、4歳の支援の継続に加えて、就学後につまずいてしまうかもしれないところを保護者様と一緒に見つけ、できるだけそれが本人の負担にならないようにするための支援をてらぴぁぽけっとでは考えていきます。授業に参加することであったり、自分の役割を認識して、何をするかを判断することが多いです。また、保護者様もこの時期は忙しくなりますので、学校に入るまでのことについて、お話を伺うことも増えてくる時期です。
段階別セラピー
発達スケールと照らし合わせて、お子様を目標とする位置へ導く児童発達支援事業所「てらぴぁぽけっと」。
2024年12月26日現在、全国に52教室を展開中。
応用行動分析(ABA)を用いたセラピーで、将来的に目指す行動に対し、今できることからプログラムを作成していきます。 保護者様との対話にも力を入れている、気軽に話せる相談先として頼れる存在です。
5歳の「発達障害かも」の
気になるサイン
感覚が敏感
発達障害の特性を持つ子は、感覚が敏感なことが多いです。
音に敏感な子は、些細な音でも轟音が鳴り響いているように聞こえたり、痛みを感じたりすることがあります。
肌が敏感だと、手を繋いだだけで痛みや圧迫感を感じて、抱っこや手を繋ぐことを嫌がることも少なくありません。
味覚や嗅覚が敏感だと、一般的な味付けを濃く感じたり、食事のにおいが気持ち悪く感じたりすることがあります。
ひとりで遊ぶことが多い、
集団行動ができない
ルールが理解できなかったり、コミュニケーションが取れなかったりして、ひとりで遊ぶことが多くなりがちです。
また、予定通りに物事が運ばないと不安になり、どうしたらよいかわからなくなってしまいます。
そのため、行事やイベントなど普段と違うことが起こると変化を楽しめず、参加を拒んだり、普段とは違う雰囲気に興奮して勝手な行動をとったりなど、集団行動が難しいことがあります。
特定のものへの
こだわりがみられる
臨機応変な対応が苦手なので、ちょっとした変化にも不安になってしまいます。
そのため、特定のものにこだわったり、同じことを繰り返したりして、不安や緊張を和らげていると考えられています。
特定のものへのこだわりは、お子さんなりに「いつも通り」に過ごそうとしているのです。
無理にやめさせようとすると、不安からパニックを引き起こすことがあります。
パニック(かんしゃく)を起こす
どうしたらよいかわからなくなり、強い不安や恐怖、混乱などを感じるとパニックを起こします。
パニックを起こす理由は「変化を楽しめない」「気持ちを切り替えられない」「感覚過敏」「こだわりが強い」など、お子さんによってさまざまです。
また、自分のきもちを上手く伝えられなかったり、助けを求められなかったりして我慢した結果、時間が経ってからパニックを起こすこともあります。
じっとしているのが苦手
動いていないと落ち着かなかったり、さまざまな刺激に気を取られて集中できなかったりします。
椅子に座っていてもガタガタさせて落ち着きがなく、立ち歩いてしまうことも珍しくありません。
一方で、興味関心のあることには何時間でも集中できるなど、集中力に関するアンバランスさが見られます。
ルールが理解できない、
守れない
ルールを理解できない、守れない理由には「視覚優位」「感情優位」の2つが考えられます。
視覚優位の場合、滑り台をしようと思うと「滑り台」に集中してしまうので、並んでいるお友だちが目に入らず、割り込んでしまうのです。
ゲームで負けてしまうと、悔しさや怒りなど感情のコントロールができなくなり、自分の思い通りに物事を運ぼうとしてしまいます。
お友だちをたたいたり、
泣かせたりしてしまう
「相手の気持ちを理解できない」、「感情をコントロールできない」などが原因で、お友だちをたたいたり、泣かせてしまったりすることがあります。
感覚過敏の場合、苦痛だと感じる刺激から逃れるために、相手を突き飛ばしてしまったのかもしれません。
このように、衝動的な行動を取る原因は、ひとりひとり異なります。
忘れっぽい、注意力が散漫
外からの刺激によってすぐに気が散ってしまうため、聞いたことを忘れる、物をどこに置いたかわからなくるなどの特性があります。
忘れ物も多いので「だらしがない子」と思われることもありますが、けしてお子さんの努力不足では、ありません。
また、ものごとの優先順位がつけられないので、何から手をつければ良いかわからなくなってしまいます。
変化や気持ちの切り替えが苦手
環境の変化が苦手なので、予定変更や予期せぬ出来事があると、臨機応変な対応ができません。
物の配置が変わっていたり、いつもと違うメーカーの食べ物だったりするだけで、不安からパニックを起こすことがあります。
そのため、園の行事や課外活動など、普段とは違う変化を楽しめず、どうしたら良いかわからなくなってしまうのです。
相談がまだの場合は、
まず相談へ
もっと小さいころだと、「まだ確定診断は出せない」「経過観察です」と言われるようなこともありますが、5歳になると、自閉スペクトラム症やADHDの診断を受ける可能性がある年齢です。
ADHDの場合は、特性の出方によっては、まだ「経過観察です」となることもありますが、相談することは今後のお子さんのための行動を教えてもらえたり、保護者様が抱え込んでいる負担を軽くしたりするための第一歩なので、ぜひ相談に行ってみることをおすすめします。
もしも診断名がついたら
子どもの様子を
見てあげてください
発達障害の特性は、ひとりひとり異なります。
無理させたり押し付けたりせず、お子さんに合わせた「関わり」や「サポート」が大切です。
適切でていねいな関わり方によって、将来の姿が変わってきます。
また、我が子の特性を理解して、「ここまでがんばろう」と少し先まで導くことで、能力を開花させられます。
ぜひお子さん、ご家族、信頼できる相談先とともに、歩みを進めてください。
ネットの体験談など、いろんな情報を入れすぎてしまうと、なにが正解かわからなくなってしまうこともあります。
メンタルが弱っているときはSNSには触れないといった、自分の中での線引きをするのもいいかもしれません。
療育なども活用しましょう
療育によって特性がゼロになるわけではありませんが、お子さんの生きづらさをやわらげられます。
療育を受けたい場合は、保健所や役所に相談すると、児童発達支援事業や児童発達支援センターなどを紹介してもらえます。
アップの積み重ね
療育というのは、「今の困りごとの解決と、将来の自立をめざす」ための支援のこと。
保護者様だけではアプローチできないところに届くような支援ができたり、専門知識があるからこその気づきを、お子さんのために活かせたりします。
費用もご家庭の収入次第ではありますが、月額数千円で受けられますので、ぜひ行ってみてください。
まずは「療育だ」と身構えず、「軽い気持ちで見学に来てください」と、このサイトの取材に協力してくださった、児童発達支援事業所の「てらぴぁぽけっと」さんも話していましたよ!
療育についての知識や、エリアごとの児童発達支援センター・事業所は以下のページから見られます。
周囲の理解を得る必要がある時期
発達障害を持つお子さんの中には、がんばっても上手くできなくて、つらい思いをしていることも。
周囲からからかわれたり、劣等感を植え付けられたりしてしまうと、ひきこもりや不登園などの二次障害につながる可能性があります。
二次障害は、お子さんからのSOSであると考えて、原因を探して生きやすくするサポートが必要です。
家庭内で安心できる場所をつくり、その子の意欲や自信につながるようなことを見つけて、褒めてあげることが大切です。
小学校をどうするのか考える
特性がはっきりと出ている場合や、知的な障害もある場合は、小学校の選択をどうするのか、といったところも考えなくてはいけない時期です。
通常学級にするのか、支援学級にするのか、最終的な判断は保護者様に委ねられます。
お子さんが「楽しく通えるか」「学びを得られる環境」はどちらなのかを軸に、考えてあげてください。
とは限りません
通常学級に行けるなら、行った方がいいのでは?と考えてしまうこともあるかもしれません。
ですが、発達障害という特性を持つお子さんにとって、通常学級は最良の選択とも限りません。
クラスメート、その保護者様、中には担任の先生や学校に「理解してもらえない」と苦しんでいる保護者様やお子さんもいらっしゃいます。
本来受けられる支援が受けられないことも出てきますので、小学校の教育方針を確認し、何を選ぶべきなのか、じっくりと考えてください。
抱え込まないこと
「子どものために」とがんばりすぎて、保護者様がいっぱいになってしまう。
お子さんへの日々の対応に保護者様が疲れてしまう。
それは、いちばん避けたいこと。
お子さんの人生は今だけではありません。
長く、良い支援を続けるためにも、いろんな支援やコミュニティを活用して、こころとからだを、少しでも軽くしてください。
このサイトでは、エリアごとの児童発達支援センター・事業所をまとめたページがあるので、参考にしてください。