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発達障害のお子さんを指導・支援する通級指導教室について

そもそも通級指導教室(通級)とは?

通級指導教室は通級とも呼ばれ、通常の学級に在籍しながら別の教室で特性に応じた指導を受けられる制度のことです。基本的にはほかの生徒と一緒に通常学級で過ごし、週に数時間程度は通級指導教室にて授業を受けることになります。

通級の授業の受け方は、大きく分けて「自校通級」「他校通級」「巡回通級」の3つ。それぞれの違いは以下の通りになります。

  • 自校通級…在籍している学校に設置された通級指導教室に通う
  • 他校通級…通級指導教室が設置された別の学校へ定期的に通う
  • 巡回通級…通級指導を担当する教師が学校を訪問する

他校通級で受けた授業についても、在籍している学校の教育課程として含めることができます。

特別支援学級との違い

通級指導教室と特別支援学級は、どちらも障害を持つお子さんを対象とした特別支援教育の1つです。障害のあるお子さんが学習や生活で感じる困難を克服するための授業の提供を目指しています。

通級指導教室と特別支援学級の大きな違いとしては、通級が通常学級に在籍しながら特性に応じた指導を受けられるのに対し、特別支援学級は特別支援学級に在籍して指導を受けるという点です。また、通級指導教室は小学校や中学校、高校に設置されていますが、特別支援学級は小学校と中学校のみにしか設置されていません。

そのほか対象となるお子さんも異なり、特別支援学級は知的障害(知的発達症)のあるお子さんが対象となります。ただ、通級指導教室でも知的障害のあるお子さんを受け入れようという動きがあるので、将来的には知的障害のあるお子さんも通級で授業を受けられるようになるかもしれません。

通級指導教室の対象

通級の対象となるのは、障害の程度が比較的軽いお子さんです。学校教育法では、以下の障害を持つお子さんを通級の対象として定めています。

  • 言語障害者
  • 自閉症者
  • 情緒障害者
  • 弱視者
  • 難聴者
  • 学習障害者
  • 注意欠陥多動性障害者
  • その他障害のある者で、この条の規定により特別の教育課程による教育を行うことが適当なもの

通級指導教室の指導内容

通級では、生活や学習で感じている困難さを改善するための自立活動を学びます。通級の担当教師と通常学級の担任が連携し、さらに特別支援教育コーディネーターや校内の委員会などのアドバイスも受けながら、お子さんの特性に合わせた個別の教育支援計画・指導計画を作成。通級での指導は、1対1または4~5人の少人数で行われるのが基本です。

指導内容はお子さんの特性によっても変わってきます。たとえばADHD(注意欠如多動症)で授業を集中して受けられないというお子さんの例をあげると、保護者や周りの人から話を聞いて情報を集めた結果、授業内容に興味を持てないことが集中力が続かない原因だと判明しました。

そこで伝え方を工夫しようと、お子さんの好きなキャラクターが授業のルールを教えるカードを作成。まずはお子さんに興味をもってもらい、それから伝えたい内容が頭に入るような指導が行なわれました。

通級指導教室のメリット

通級に通うメリットは、お子さんの特性に合った指導や支援を受けられることです。通級では生活上での苦手や困難を改善・克服するための指導を受けられ、卒業後も役立つスキルを身につけられます。また、通常学級に在籍しながら通級に通うことになるので、集団生活に慣れることができるのも保護者様にとっては安心できるポイントと言えるでしょう。

通級指導教室に通うときに配慮すべきこと

通級を利用するにあたって配慮すべきこととして、「お子さんの負担」があげられます。通常学級との行き来や新しい環境がお子さんにとってストレスになる可能性があるほか、他校通級だと移動時間が必要となるので在籍校での授業を予定通りに受けられないことも。授業の理解がほかのお子さんより遅れることで、精神的な負担になったり自信を失ったりすることがあるかもしれません。

通級に通う際は、お子さんが負担に感じていないかをしっかりと見守り、ケアしてあげることが大切です。

通級指導教室を利用するには?

通級を利用するには、手続きが必要となります。手続きの流れは自治体によって異なるため、在籍している園や学校に相談してみましょう。

通級はすべての学校に設置されているわけではなく、さらに学級数や定員にも地域差があります。そのため、場合によっては通級の利用を希望しても入れないことも。利用できるかを含めて担任の先生にまずは相談してみることをおすすめします。

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